やけに気分が重い…そんな日は誰にだってある、時に雨の日とか 外から漏れる雨の音は気分と体を重くさせ、今日は看板を下げるか… そう思ってた時 客「すみません、マスター・・・まだやってますか?」 マスター 「えぇ、大丈夫ですよ」 客A 「良かったー」 客B 「マスターこんばんは」 マスター 「どうしたんだい?こんな雨の中?」 A 「いやー…ここでお酒が飲みたくてね 今日は俺達が付き合うきっかけになった日だからさ」 マスター 「そうでしたね、そう言えばAさんがそこの席で告白とかしてましたねーはっはっは」 A 「マスタ〜ほんとそのネタで弄るのは止めてくれよ〜」 B 「あの時は大変だったわよねマスター いきなり、一目惚れでした!!僕と付き合ってください!!だなんてw」 A 「二人とも酷いよ、開始早々イジメに発展かよ!」 マスター 「いやー良いポジションですねー憧れますAさん っと・・・でしたら私からお二人にプレゼントと言う事で、今日は貸し切りにしますか」 B 「えっ?良いんですか?マスター他にもお客さんが来るかもしれないのに」 A 「マスターの優しさに惚れた、もう俺涙がちょちょ切れるよ」 マスター 「何をお飲みになりますか?あの時の奴ですか?」 A 「いや、飲みたい奴はもう決まってるんだ カサブランカ…それを二人分お願いして良いかな?」 B 「カサブランカ?聞いた事ないお酒の名前ね、マスター知ってる?」 マスター 「えぇ、誰もが聞いた事があるって程有名ですよ」 B 「へぇ…楽しみ、期待してるわよ!ってどうしたのよ柄にもなく緊張してw」 A 「な…何でもないよ!別に緊張なんか」 マスター 「どうぞ、シャンパンカクテルです」 B 「何これ…綺麗…」 マスター 「このカクテルはシャンパンカクテルと言って時間の経過によって味が変わる…と言うカクテルです。 何かのお祝い等に良く作られるカクテルとしても有名ですね」 B 「へー偶には気のきいた事出来るじゃないのA…A?どうしたのさっきから?」 A 「あ…あのさ、俺と・・・結婚してくださいっ」 B 「えっ…わ…私で良ければ喜んでって…えっ…ほんと…もう…何言ってるのよもう…」 A 「ほ…本当に良いの?い…いやったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 ここから先は真っ赤になった二人が初々しく照れあって美味しそうにシャンパンカクテルを味わい合っていた 二人の笑顔を見ていると、この仕事も悪くないと不思議に思えてくる… A 「マスター今日はありがとう…結婚式には来てくれよな!」 B 「気が早いって…って気が早い訳でもないか…マ…マスターまた来るわね!」 マスター 「まったく、カサブランカかニクイ演出するもんだ」 二人を見送った時には雨は止み、気分も晴れていた… 本当にこの仕事は悪くない…