【September mermaid♯3】 廊下を歩いている 渉01『やっぱり、夜の学校は何かこう背中が痒くなるな』 啓介01『だな。でも、職員室の明かりついてたよな。こんな時間まで…見つからなきゃいいけど』 渉02『お受験シーズンだからねー。大変だねー』 啓介02『お前が言うなよ。』 渉03『そうだ!後で、肝試しやろうぜ!』 啓介03『…お前は。』 ガラッ 渉04『なーっつみ』 啓介04『よぉ』 渉05『さー!早速始めようぜ!』 渉06『わー。やっぱいいなー花火。』 啓介05『そういや今年花火初めてだな。』 渉07『ほらなつみ。僕の火やるよ』 啓介06『それにしても渉。そのでっかい袋の中身。なんだ?』 渉08『打ち上げ花火だよ!やっぱりこうドカンッと!』 啓介07『…ここでやるのか?』 渉09『…。あ、あはは。やるわけないじゃないか啓介クン。えーっと、なつみこれは打ち上げ花火といってだなー…』 啓介08『ばーか。』 渉10『じゃぁ、花火はこの辺にして、次は肝試しといこうではないか!』 啓介09『はぁ…本当にやるのか。』 ガラッ 渉11『…よし!い、いくぞ。』 啓介10『何ビビってんだよ。来る時歩いて来たじゃんか。』 渉12『いや、肝試しとなると、こう、気分がね。』 啓介11『言いだしっぺが何言ってんだよ。』 渉13『な、なつみ。絶対そばを離れるんじゃないぞ!』 廊下を歩く 遠くから足音が聞こえる 啓介12『…おい。何か聞こえないか。』 渉14『え…。』 啓介13『ちょ、こっち近づいてくんぞ。』 渉15『うわっ、やばいって!とりあえずなつみ隠れて!』 教師01『おい。誰かいるのか?』 渉16『ヒッ!』 啓介14『…先生』 教師02『…森田。…っと楠木か?』 渉17『はー。先生かよ…』 教師03『お前たち。こんな時間にこんなとこで何やってんだ。』 渉18『…あー。あの、あれですよ。っていうか先生こそ何してんの?』 教師04『俺は、東校舎の見回りだ。明後日、取り壊されるからな。』 渉19、啓介15『…は?』 啓介16『それって…』 渉20『どういうことだよ!そんな事俺達今まで聞いたことなかったぞ!』 教師05『職員室の前に掲示してあっただろう。』 渉21『そんなとこ誰も見ねーよ!!先生、取り壊しどうにかならないのか?!』 教師06『どうにかって、ちょっと落ち着け。どうした楠木?』 啓介17『あ、…わ、渉のやつここお気に入りの場所だったんだよ!だから、…急に取り壊されるって聞いたからきっとショック何だと…』 教師07『まぁ、気持ちもわからんではないがな。もう決まった事だから。ほら、早く帰れ。俺も見回り済ませて帰る。』 啓介18『あ、いや!こっちには誰も、何もなかったからさ!先生も、もう切り上げてさ、俺達駅まで送ってよ!』 教師08『…何だ?お前たち、何か隠してないか?…まぁいい。じゃさっさと帰るぞ。』 啓介19『サンキューせんせっ。ほら、帰るぞ渉!』 渉『…。』 啓介20(小声で)『渉。まだ明日もあるんだ。とりあえず今日は帰ろう。』 渉22『…あぁ。』