「時間遡行教室」 深夜学校 登場人物 ・A:守 マモル(男)  (10) ・B:聡史 サトシ(男) (14) ・C:梨緒 リオ(女)  (13) ・D:葉月 ハヅキ(女) (09) 【第一話】 葉月01「…ねえ、本当に大丈夫?」 聡史01「心配すんなって、木曜は見回りのオッサン休みだからさ」 梨緒01「そうそう葉月、あんまり心配性だと人生ソンするよ」 聡史02「凶暴な性格もソンしそうだけどな」 梨緒02「なんですって」 聡史03「おっと、俺は誰とは言ってないぜ、勝手に自分だと――」 守 01「ストップ、二人とも。いくら誰もいないからって静かに」 聡史04「すまん」 梨緒03「ごめん」  ガタガタ 葉月02「今なにか聞こえなかった?」 守 02「いや何も聞こえなかったけど」 聡史05「おおかたどっかのカップルが学校でしけ込んでんじゃねーの」 梨緒04「すぐ下ネタにもってくな」  バタン 葉月03「ほらまた!」 守 03「今のは聞こえた、どうする一応見てくるか」 聡史06「いや、いいさ。どうせ俺たち、もうすぐこの時間からいなくなるんだから」 梨緒06「うわさが本当ならだけどね」 守 04「3−G、ここだね」  ガラガラ 聡史07「しかし考えられないな、一学年に7クラスなんて」 葉月04「少子化だもんしょうがないよ」 守 05「現在時刻1:54分」 聡史08「もうすぐだな」 守 06「うん、噂では満月の日の2時と3時、この教室にいると時間遡行を体験するらしい」 梨緒07「タイムトラベルなんてSFの読みすぎじゃない?」 聡史09「とか言いつつ、きっちりついて来てるじゃねーか」 梨緒08「だって、ホントだったら私だけ体験しないなんてイヤだもん」 葉月05「でもあんまり遠くに飛ばされちゃうのは怖いな」 梨緒09「大丈夫よ葉月、私がついてるから」 葉月06「うん、ありがとう梨緒」 聡史10「おいおい、俺らは無視かい」 梨緒10「そのセリフは私に勝ってから言うことね」 守 07「はいはいそこまで。みんな、時間を合わせよう」 聡史11「はいよ」 梨緒11「了解」 葉月07「56分55,56,57,58,59、ゼロ」  ピッ×3 守 08「後は待つだけだ」 聡史12「あーなんかいまさらすげードキドキしてきた」 守 09「俺もだよ」 葉月08「ねえ、みんなで手つながない?こう輪っかになって」 梨緒12「いいんじゃない、ビビリ男子どもも少しは落ち着くでしょ」 聡史13「それは聞き捨てならんな、これはビビってるわけじゃなく」 守 10「まあまあ、ほらもう30秒しかないよ、そんなことしてたら繋ぐ前に――」  ピカッ 葉月09「何?」 梨緒13「嘘?!」 聡史14「マジか」