雨の日も気分が重くなるが、この時期になると陽気に充てられて ついつい看板を下げそうになる どうやって自分を納得させる理由を見つけ看板を下ろすか… そう悩んでいた時だった ------------------------------------------------- 桜 「やっほーお久しぶり〜元気でやってる?」 マスター 「これは珍しい、どうなされました?今日は看板を下げようと思っていた所なのですが」 桜 「営業日に堂々と看板下ろすって貴方…そうそう、今日音やんがこっちに来るらしくて 皆で飲もうって話になったんだけども、貴方も来るよね?」 マスター 「では何か持って行きますね、面白いお酒を楽しみしてます」 久々に会える友人に期待しつつ彼女のBARに足を運ぶ事を決めた この時はあんな事になるとは・・・と思ってもみなかった -------------------------------------------------- 桜 「待ってたわよ〜ささっ座って座って」 マスター 「えらい上機嫌ですね、まぁ久しぶりに会うんだから気持ちは分からなくもないですが」 桜 「そうね、時間が合わなくなって結構立つものね 二人でこうやって飲むのって久しぶりじゃない?」 マスター 「学生時代は3人集まって良く飲んでましたからね…ほんと懐かしいですね」 桜 「まさかその中の二人が同じ職業になると思ってなかったよね 何があるか分からない物だわ」 マスター 「あの時は面白かったですねw「何このハブリ、俺 覇武羅霊組ってグループ作って デビューしてやる!!」とか騒いでましたねww」 桜 「その後本当にデビューするしね・・・」 マスター 「えぇ・・・あの行動力を別な方向に向ければ良いのに・・・」 桜 「その彼遅くなりそうだし先に飲んでおきましょうか、ちょっと待っててね」 マスター 「桜さんのオススメ飲むの久しぶりですね」 桜 「はいどうぞ」 マスター 「このチェリーブロッサムだけは何ど飲んでも桜さんの方が美味しいんですよね、なんででしょうか」 桜 「実力よ、じ・つ・り・ょ・く!」 マスター 「いつか同じ事を良い返しますから覚えといてくださいね」 桜 「相変わらず負けず嫌いも変わって無いね」 マスター 「なんででしょうか、ライバル心って奴でしょうかね?」 桜 「あら?宣戦布告?良いわよ乗ってあげるわよ〜」 マスター 「お手柔らかにお願いしますよ、しっかしそれにしてもこの季節はやる気が下がりますね」 桜 「逆に私は憂鬱よ、桜桜って…嫌な思い出しか無いわ」 マスター 「毎年この時期に弄られるネタは桜〜でしたからねぇ…」 桜 「ホントこれってヘタしたらトラウマとか生まれる子居るわよ」 マスター 「私は好きですけどね桜」 桜 「えっ?」 マスター 「いやいや、桜の木の事ですよ?」 桜 「・・・・・・」 マスター 「桜の花びらとショートカクテルは同じと思いませんか? ゆっくり桜を愛でたくてもずっと咲いているわけではなく きれいなとき、楽しめるときはそんなに長くない。 ・・・かもしれませんが、桜が咲き誇る時はやっぱりいいものです。 カクテルも同じではないかと。飲んでいる時間と、その雰囲気。 花が咲くように素晴しいひととき。 その一瞬を楽しめるように、すてきな時間でありますように。」 マスター 「ってキザ過ぎましたか?」 桜 「それ言って欲しい?」 マスター 「はっはっはいやーなんだか照れますね」 桜 「それ私じゃなくて他の子に言った方が良いんじゃない?彼女さんとか?」 マスター 「いやー独り身には言う相手が居ないんですよ」 桜 「へぇー居ないんだ、そうだ今度お酒の品評会があるんだけれど 一緒に行かない?」 マスター 「良いんですか?」 桜 「なんだかこう言うのって一人だと行きにくいのよ」 マスター 「桜さんとのデート楽しみですね」 桜 「なっ・・・何言ってるのよっ」 マスター 「冗談ですよ冗談、さっきのお返しですよ」 桜 「いや・・・デートでも良いんだけど・・・品評会じゃなくてちゃんとした所・・・」 音 「( ^ω^)ノおいすー いやーマスターの店言ったんだけど閉っててさー ここで集まって飲んでるのかなーって思って 来てみたらビンゴだったよ!!美味しいお酒持ってきたから飲もうぜー」 マスター 「随分遅かったですね、大分待ってましたよ」 音 「えっ?まじで?待ってたって何?」 マスター 「桜さんに呼ばれな〜」 桜 「音君待ってたよ!そこで座って待っててね、今何か作るから」 音 「ワーオ、これは期待せざるおえない」 マスター 「では久々の再会を祝って」 マスター・桜・音 「「乾杯」」 ----------------------------- 桜 「また言えなかった・・・これで何度目だろうか 相手との距離を意識し過ぎて何回やっても一歩踏み出せない・・・ 窓から見える夜桜を見ながら飲むチェリーブロッサムは少ししょっぱく感じた」