「時間遡行教室」 二人教室 登場人物 ・A:守 マモル(男)  (1) ・B:聡史 サトシ(男) (15) ・C:梨緒 リオ(女)  (13) ・D:葉月 ハヅキ(女) (1) 一話と同じ音声は ' を先頭につけています 【第二話】  バーン 聡史01「何だったんだ今の光、なあ守。     あれ、誰もいない?まさか俺だけが飛ばされたのか」 聡史02「そうだ時間時間、教室の時計は…1:40分、つまりここは20分前の世界なのか」 聡史03「とりあえずここから出ないとな、ん、黒板の隅に文字が…     "A組の教室で待つ"、誰だ名前くらい書いとけつーの、まあ向かうか」 ガラガラ 梨緒01「あ、聡史」 聡史04「梨緒、どうしてここに」 梨緒02「どうしてってタイムトラベルしたからに決まってんじゃん。     目開けたら誰もいなくて、教室の時計見たらまだ12時なったばっかりで     他のみんなもすぐ来ると思って黒板にメッセージ書いてここで待ってたわけ」 聡史05「それは災難だったな、それで他の二人は」 梨緒03「まだみたい、それとも私たちだけタイムトラベルできたのかな」 聡史06「さあな。でも今は過去なんだからいくらでも確かめようはあるだろ」 梨緒04「それもそうね。でもその前にやっておくことが、あるでしょ」 聡史07「まさか物音の正体が自分たちだったなんてな」 梨緒05「幽霊の正体なんてそんなもんよ。あ、きたきた」 '聡史02「凶暴な性格もソンしそうだけどな」 '梨緒02「なんですって」 '聡史03「おっと、俺は誰とは言ってないぜ、勝手に自分だと――」 ' 守 01「ストップ、二人とも。いくら誰もいないからって静かに」 聡史08「あんまり大きい音出すとこっち来ちまうからな」 梨緒06「わかってるわよ、それより静かに」 ガタガタ '葉月02「今なにか聞こえなかった?」 ' 守 02「いや何も聞こえなかったけど」 '聡史05「おおかたどっかのカップルが学校でしけ込んでんじゃねーの」 '梨緒04「すぐ下ネタにもってくな」 聡史09「葉月にしか聞こえてねえぞ、小さすぎだって」 梨緒07「あんたが大きい音出すなっていったんでしょ」 ドン バタン 聡史10「あたぁ、叩くことねえだろうが」 ' 守 03「今のは聞こえた、どうする一応見てくるか」 梨緒08「シッ、静かに」 '聡史06「いや、いいさ。どうせ俺たち、もうすぐこの時間からいなくなるんだから」 '梨緒06「うわさが本当ならだけどね」 梨緒09「ふうー、どうにかばれなかったようね」 聡史11「お前のせいだろうが」 梨緒10「教室に向かった、急ご」 聡史12「無視かい」 梨緒11「教室に入って10分、もう2時過ぎてるはずなんだけど誰も出てこない」 聡史13「みんなもうあそこにはいないんじゃないか、ちょっとみてくるよ」 梨緒12「待って、ドアが開く」  ガラガラ 守 01「失敗かー」 葉月01「ほっとしたような、残念なような」 梨緒13「タイムトラベルなんてしょせんSFの中のお話に過ぎなかったってことね」 聡史14「気落とすなって。夜中の学校に忍び込んだりして俺は楽しかったぜ」 聡史15「…なんで4人ともいるんだ」